人気ブログランキング | 話題のタグを見る

【 第一章 】 明かされる真実 2

○ 如是妙法 諸仏如来時乃説之 如優曇鉢華 時一現耳
○ 舎利弗 汝等当信仏之所説 言不虚妄
○ 舎利弗 諸仏随宜説法 意趣難解
○ 所以者何 我以無数方便 種種因縁 譬喩言詞 演説諸法
○ 是法非思量分別之所能解 唯有諸仏乃能知之

○ 是の如き妙法は 諸仏如来は時に乃し之れを説きたまう
○ 優曇鉢華の時に一たび現ずるが如きのみ
○ 舎利弗よ 汝等は当に信ずべし 仏の説きたまう所 言は虚妄ならず
○ 舎利弗よ 諸仏は宜しきに随って法を説きたまい 意趣は難解なり
○ 所以は何ん 我れは無数の方便 種種の因縁 譬喩言詞を以て 諸法を演説す
○ 是の法は思量分別の能く解する所に非ず
○ 唯だ諸仏のみ有して 乃し能く之を知しめたり


このような妙法は、多くの仏は長い年月のあいだに、初めてこれを説くのである。
優曇鉢華が長い年月のあいだに、一度だけ現れるようなものである。
舎利弗よ。 汝らはまさに信じねばならない。 仏の説く言葉はいつわりではない。
舎利弗よ。 多くの仏は適切に法を説くので、その意図を理解するのは難しい。
なぜならば、私は数えきれない方便、さまざまな因縁、譬話によって諸法を説いてきた。
この法は思い量って区別して、よく理解できるものではない。
ただ多くの仏のみが、すなわちよくこれを知っているのである。


「 妙法 」    = 妙法蓮華経のこと。
「 優曇鉢華 」 = ヒマラヤ山麓に生息する闊葉樹で、仏典では三千年に一度咲き、仏に会いがたいことを譬える時に使われる。

○ 所以者何 諸仏世尊 唯以一大事因縁故 出現於世
○ 諸仏世尊欲令衆生開仏知見 使得清浄 故出現於世 欲示衆生仏知見 故出現於世
○ 欲令衆生悟仏知見 故出現於世 欲令衆生入仏知見道 故出現於世

○ 所以は何ん 諸仏世尊は唯だ一大事の因縁を以ての故に 世に出現したまう
○ 諸仏世尊は衆生をして仏知見を開かしめ 清浄なることを得しめんと欲するが故に 世に出現したまう
○ 衆生に仏知見を示さんと欲するが故に 世に出現したまう
○ 衆生をして仏知見を悟らしめんと欲するが故に 世に出現したまう
○ 衆生をして仏知見の道に入らしめんと欲するが故に世に出現したまう


なぜならば、多くの仏はただ一つの大切な因縁のためだけに、この世に出現する。 ( 中略 )
多くの仏は人々に、仏の知見を開かせて、清浄であることを獲得させたいために、この世に出現する。
人々に、仏の知見を示したいために、この世に出現する。
人々に、仏の知見を悟らせたいために、この世に出現する。
人々に、仏の知見の道に入らせたいために、この世に出現する。


四十二年間、説かれることがなかった仏の目的が、ここで初めて明かされます。
仏がこの世に出現するただ一つの目的なのです。

○ 諸仏如来但教化菩薩 諸有所作 常為一事
○ 舎利弗 如来但以一仏乗故 為衆生説法 無有余乗若二若三

○ 諸仏如来は但だ菩薩を教化したまう 諸の作す所有るは 常に一事の為めなり
○ 舎利弗よ 如来は但だ一仏乗を以ての故に 衆生の為めに法を説きたまう
○ 余乗の若しは二 若しは三有ること無し


多くの仏はただ菩薩だけを教化する。
多くの行いは常にこのことのためである。 ( 中略 )
舎利弗よ。 如来はただ一つの仏乗のためだけに、人々のために法を説くのである。
それ以外の教えが、あるいは二つ、あるいは三つもあるのではない。


○ 舎利弗 劫濁乱時 衆生垢重 慳貪嫉妬
○ 成就諸不善根故 諸仏以方便力 於一仏乗分別説三

○ 舎利弗よ 劫の濁乱なる時 衆生は垢重く 慳貪嫉妬にして
○ 諸の不善根を成就するが故に 諸仏は方便力を以て
○ 一仏乗に於いて分別して三を説きたまう


舎利弗よ。 劫が濁り乱れている時、人々は汚れ重く、慳貪であり嫉妬して、多くの善くない根を成しとげているために、多くの仏は方便の力をもって、ただ一つの仏乗において、区別して三つの教えを説くのである。

○ 舎利弗当知 諸仏法如是 以万億方便 随宜而説法 其不習学者 不能暁了此
○ 汝等既已知 諸仏世之師 随宜方便事 無復諸疑惑 心生大歓喜 自知当作仏

○ 舎利弗よ当に知るべし 諸仏の法は是の如く 万億の方便を以て
○ 宜しきに随って法を説きたまう 其の習学せざる者は 此れを暁了すること能わじ
○ 汝等は既已に諸仏世の師の 随宜方便の事を知りぬれば 復た諸の疑惑無く
○ 心に大歓喜を生じて 自ら当に作仏すべしと知れ


舎利弗よ、まさに知らねばならない。
多くの仏の法はこのように、万億の方便をもって適切に法を説くのである。
それを学び習わない者は、これを理解し尽くすことはできない。
汝らはすでに多くの仏や世の中の指導者の、適切に方便を説くことを知っているので、また多くの疑惑を持つことなく、心に大歓喜を生じて、自分は必ず仏に成れるのだと知りなさい。


「 いのち 」 は次のような過程を経て成長し、仏に成ります。

迷いの世界を輪廻する六道 → 迷いの世界を脱した声聞 → 悟りの一部を覚知する辟支仏 → すべてを悟る仏に成ることを願う菩薩 → 仏

多くの仏はただ菩薩だけを教化します。
そのために次の三つの教え ( 三乗 ) を説きました。

① 六道の人々を声聞にするための教え。
② 声聞を辟支仏にするための教え。
③ 辟支仏を菩薩にするための教え。

人々の受け入れ能力に合わせてそれぞれの教えを理解させ、仏に成ることを願う菩薩にまで 「 いのち 」 を成長させていきます。
それは誰もが具える仏の知見を開き ・ 示し ・ 悟らせ ・ 入らせるための準備段階の教え、方便だったのです。
そのことを理解した時に、ただ一つの仏乗の道を歩み始めたことになり、心に大歓喜を生じて、自分は必ず仏に成れるのだと知りなさい、となるのです。

釈尊の説法を受け、舎利弗は躍り上がって喜びます。

【 法華経の譬喩品 第三 に 】

○ 爾時舎利弗踊躍歓喜 即起合掌 瞻仰尊顔 而白仏言
○ 今従世尊聞此法音 心懐踊躍 得未曽有

○ 爾の時 舎利弗は踊躍歓喜し 即ち起ちて合掌し 尊顔を瞻仰し 仏に白して言さく
○ 今 世尊従り此の法音を聞き 心に踊躍を懐き 未曽有なることを得たり


その時、 舎利弗は躍り上がって歓喜し、立ち上がって合掌し、釈尊の顔を仰ぎ見て仏に申し上げた。
「 今、世尊よりこの法を聞いて心に躍り上がる感じを懐き、いまだかつてなかったことを獲得しました 」 と。


○ 若我等待説所因成就阿耨多羅三藐三菩提者 必以大乗而得度脱
○ 然我等不解方便随宜所説 初聞仏法 遇便信受 思惟取証

○ 若し我れ等は 阿耨多羅三藐三菩提を成就する所因を説きたまうを待たば
○ 必ず大乗を以て度脱せらるることを得ん
○ 然るに我れ等は方便もて宜しきに随って説く所を解せず
○ 初め仏法を聞いて 遇ま便ち信受し 思惟して証を取れり


「 もしも私たちが阿耨多羅三藐三菩提を成しとげる原因を説かれるのを待っていたならば、必ず大乗によって度脱されていたでしょう。
それなのに私たちは、方便をもって適切に法が説かれていたことを理解できずに、初めに仏法を聞くと、すぐにそのまま信じて受け入れ、考え、悟りを取ってしまいました 」 と。


「 度脱 」 = 悟りの世界に渡って、障りを脱すること。

○ 今日乃知真是仏子 従仏口生 従法化生 得仏法分

○ 今日乃ち知んぬ 真に是れ仏子にして
○ 仏の口従り生じ 法従り化生して 仏法の分を得たり


「 今日初めて私たちも真に仏の子であり、仏の口より生まれ、法から生まれ出て、仏法の一部分を獲得したことを知りました 」 と。

舎利弗は、三乗は方便として説かれたもので、釈尊の真意はただ一つの仏乗にあることを理解します。
舎利弗が仏乗の道に入るので、釈尊は舎利弗に記別を与えます。

○ 舎利弗 汝於未来世過無量無辺不可思議劫 供養若干千万億仏 奉持正法
○ 具足菩薩所行之道 当得作仏

○ 舎利弗よ 汝は未来世に於いて 無量無辺不可思議劫を過ぎて 若干千万億の仏を供養し
○ 正法を奉持し 菩薩の行ずる所の道を具足し 当に作仏することを得べし


舎利弗よ。 汝は未来の世において、量り知れない限りのない思い量ることができない劫を過ぎて、そこばく千万億の仏を供養し、正しい法をささげ持ち、菩薩の修行を具えて、必ず仏に成ることであろう。

「 記別 」 = 将来、仏に成るという保証。

釈尊の真意を舎利弗は理解しましたが、他の人々はまだ理解していません。
そこで舎利弗は、他の人々も疑惑から離れられるように釈尊に説法を請います。
釈尊はその請いを受け、譬えを説きます。

○ 今当復以譬喩 更明此義 諸有智者 以譬喩得解

○ 今当に復た譬喩を以て 更に此の義を明かすべし
○ 諸の智有らん者は 譬喩を以て解することを得ん


今まさにまた譬えによって、さらにこの義を明らかにしよう。
多くの智恵のある者は、譬えをもって理解することができるからである。


ランキングに参加しています。
下のマークを一日に一回 クリック して頂けると助かります。
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 自死遺族へ
にほんブログ村